修復事業 無魔成満!ありがとうございました♡


真言宗立教開宗1200年記念事業 

 

令和5年(2023年)、弘法大師空海様により真言宗が立教開宗されて1200年を迎えます。 

弘済寺では当山地蔵堂に安置されている地蔵菩薩像の大修復を行うことといたしました。

そして繋がりのある方々、参拝される方々の格別の真心でお地蔵様と深いご縁を結んでいただき、造像当初の尊容を復元するため文化財的手法による保存修理事業にご協力を賜りました。 

先人たちが、その大いなる信心で私たちに残してくれた弘済寺のお地蔵様を次の世代に継承していくことは、この時代にここに生きる私たちの勝縁と捉え、この貴重な事業にご賛同賜りありがとうございました。 合掌  住職 玉野 真永


三乗堂さんの手による修復の2年間を追ったドキュメンター映像(22分)です。是非ともご視聴ください♡


「構想30年!」とか良く聞きますが、本当にその頃の発心から始まってます、、、、

 天野こうゆう師のYoutubeチャンネル『朝勤Web』にて生配信した時の映像(25分)です。


南足柄市長より、地蔵尊開眼供養法要の際にお祝いの言葉↓↓↓をいただきました。

令和5年4月~ | 南足柄市 (city.minamiashigara.kanagawa.jp)


 

お地蔵さん修復記(その一) 発遣法要~事前調査~搬出

お地蔵さん修復記(その二) 写真撮影~解体~クリーニング

お地蔵さん修復記(その三) 胸飾り修理作業(外注)

お地蔵さん修復記(その四) 補作工程

お地蔵さん修復記(その五) 補作・木地作業

お地蔵さん修復記(その六) 三乗堂訪問(進捗確認)

お地蔵さん修復記(その七) 木地作業完了・鎹・捨て膠

お地蔵さん修復記(その八) 胡粉下地・錆下地・弁柄、呂色漆

お地蔵さん修復記(その九) 補彩・古色・箔押し

お地蔵さん修復記(その十) 胸飾り修理(ガラス玉製作等)

お地蔵さん修復記(その十一)搬入~ご遷座法要

お地蔵さん修復記(その十二)修理報告書〔本体〕

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お地蔵さん修復記(その十三)台座・光背 搬出

お地蔵さん修復記(その十四)台座 虫対策

お地蔵さん修復記(その十五)台座 乾式クリーニング 

お地蔵さん修復記(その十六)台座光背修理設計書PDF 

お地蔵さん修復記(その十七)蓮華座 部材解体作業~い 

お地蔵さん修復記(その十八)蓮華座 部材解体作業~ろ

お地蔵さん修復記(その十九)蓮華座 部材解体作業~は

お地蔵さん修復記(その二十)湿式クリーニング

お地蔵さん修復記(その二十一)台座(含浸強化、埋木、補作、蓮肉部の鎹撤去)

お地蔵さん修復記(その二十二)光背(クリーニング、含浸強化、布張りの再接着)

お地蔵さん修復記(その二十三)台座 蓮肉部(鎹の打ち替え・解体)

お地蔵さん修復記(その二十四)台座 蓮肉部/蕊(組み上げ・調整・新補)

お地蔵さん修復記(その二十五)光背(補作と木屎漆)

お地蔵さん修復記(その二十六)台座(背面材・心棒)新補

お地蔵さん修復記(その二十七)台座(蓮弁)補彩古色~組み立て

お地蔵さん修復記(その二十八)光背 傾きの調整・胡粉下地・漆塗り

お地蔵さん修復記(その二十九)光背 箔押し・古色・修理銘札

お地蔵さん修復記(その三十)台座・光背 搬入~安置

お地蔵さん修復記(その三十一)台座・光背 裳裾取付~最終現地調整

お地蔵さん修復記(その三十二)修理報告書〔台座・裳裾・光背〕


□□□ お地蔵さん修復記 □□□

 

 当山の地蔵菩薩は地域の人々の信仰の対象であると同時に鎌倉時代造像の仏像として文化財としても非常に価値があります。この修復記では、それら両面から2年間にわたる修復の経過を随時更新していきます。ご興味のある方はコチラをご覧ください!!


弘済寺地蔵尊について

 

 当山の地蔵堂に安置される地蔵菩薩〔市指定文化財〕は、南宋や元の影響を受け鎌倉周辺で流行した法衣垂下(ほうえすいか)の様式から、鎌倉時代末から南北朝時代に造像されたとみられます。造像以来700年の間、檀信徒をはじめ地域の方々から抜苦与楽(ばっくよらく)の仏様として信仰を集め、今日でも1月23日、7月23日の大祭には地域の皆様の参拝で賑わっています。台座・本躰・光背を合わせた全長は約2mの大きな造立であり、寄木造、玉眼、肉身は漆箔の坐像です。

 

 胎内に納入されていた修理銘札により、元禄13年(1700年)に鎌倉仏師 後藤勘彌による修復が行われた事が分かっています。しかしながらその後、320年間は手つかず状態、彩色の剥落等その長い歳月は自然に尊体を損傷させてまいりました。特に右袖、左指は損傷が大きく、寄木造による各部材の結合部にも、緩み・離れが認められる。また戦時中はお堂が横浜の小学生の疎開先になったこともあり、宝珠等持物の欠失も見受けられ、台座・光背を含めた付属物についても劣化・損傷が進み、本来の尊容を保つためには、速やかなる修復が必要です。



修 復 計 

 

 令和3年4月から2か年計画の修復作業は、お寺の自己資金と皆様からの浄財、さらに南足柄市の文化財保護事業補助金並びに公益財団法人文化財保護・芸術研究助成財団の助成金を受けながら、日光山輪王寺の風神雷神の複製像制作等で近年目覚ましい活躍をみせる栃木県の修理工房 三乗堂に依頼いたしました。神奈川県立歴史博物館学芸員さんが修復のアドバイザーーとして参加します。

ケジュール

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      2021年 3月 :撥遣法要、修理前調査

            4月~:〔本躰〕搬出、解体・修復作業

           12月 :〔本躰〕修理完了、搬入

      2022年 1月 :初地蔵尊法要

            4月~:〔台座・光背〕搬出、修復作業

      2023年 1月 :〔台座・光背〕修理完了、搬入

            7月 :開眼法要 地蔵まつり(一般公開)

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