1.含浸強化
解体した蓮弁の根本が虫食い等により脆弱しているため、セルロース1〜3%を筆で塗布し、強化しました。
含浸前の蓮弁
含浸前の蓮弁の根本アップ
含浸中の蓮弁
2.埋木
蓮弁には複数の穴が空いております。これまで何度か葺き直した痕跡かもしれません。今回再利用する穴以外は、ヒノキ材で埋めました。
埋木用にヒノキ材を
棒状に削っている様子
棒状のヒノキ材を
蓮弁に挿している様子
埋木が終わった蓮弁
(1段目全体)
3.補作
蓮弁で欠失している箇所や鼠害と思われる箇所をヒノキ材で補いました。
また、小さな欠失箇所は木屎漆(生漆+小麦粉+木粉)を埋めました。
バラバラになっている蓮弁は膠で再接着を行いました。
欠けてしまっている蓮弁
補作後の蓮弁
補作後の蓮弁(1段目全体の表面)
補作後の蓮弁(1段目全体の裏面)
4.蓮肉部の鎹(かすがい)撤去
蓮肉部(蓮華座中央部分)は複数の材を寄せており、材と材を繋げる役割として、鎹が打ち込まれています。しかし鎹が錆びてしまい、鎹周辺の木材を炭化させています。また錆が進行しているものは、鎹自体が割れていたり変形しているものもありました。
役割を果たしていないため、鎹を撤去します。撤去後はヒノキ材で埋木を行い、新調した鎹を打ち込みます。
※鎹は昨年度、お地蔵様の鎹をお願いした八重樫打刃物製作所に発注中です。
蓮肉部 鎹(タテ)撤去前
蓮肉部 鎹(タテ)撤去後
蓮肉部 鎹(ヨコ)撤去前
蓮肉部 鎹(ヨコ)撤去後